サプリメントとの付き合い方

 「人間は自分の中に100人の名医を抱えている」とはヒポクラテスの至言ですが、身体の免疫システムの本質を簡潔に言い表しているように思います。つまりどのような病気であろうと、人の身体はそれを治そうとする機能を有しており、薬はその機能を模したものでしかありません。
 サプリメントと言えば、食事を介さずにビタミンやミネラルを摂取できる錠剤であり、健康食品に分類されるものです。ただしそもそもサプリメントに詰められた栄養素は、基本的には全て野菜や果物に含まれています。つまりバランスの取れた食事を実践すれば、人工物であるサプリメントに頼る必要はないケースが多いのです。
 サプリメントは薬ではありませんから、副作用の心配はそこまで大きくはありません。手軽に主要栄養素を体内に取り入れることが出来るため、便利ではあるのですが、摂取することの弊害についても議論する必要があります。栄養素の塊を錠剤で摂取することの意味自体を、正しく認識することから始めるべきでしょう。例えばビタミンが大量に詰め込まれたサプリメントを服用した場合、尿は不自然な着色を伴って排出されます。また匂いも通常の尿のそれとは異なります。つまり身体が不要と判断したビタミンが尿として排出されたのであり、大切な栄養素であっても、過剰摂取は控えるべきであることが分かります。ビタミンは確かに美容成分でもあり、疲労回復を助けてくれる栄養素でもあるのですが、身体が必要とする分量は決まっています。しかしサプリメントの服用に当たっては、その分量が察知できるはずもなく、必然的に過剰摂取してしまうのです。
 それでも不要なビタミンが尿と共に完全に排出されれば構わないのですが、実はビタミンAやビタミンD、ビタミンEといった栄養素は簡単に排出されません。脂溶性のある栄養素は体内の脂肪に蓄積してしまうのです。この蓄積がどのような影響を身体に及ぼすのかは完全には解明されていない部分もあります。サプリメントは忙しい現代社会において、大変便利な商品です。どうしても食事が取れず、頼ることもあるでしょう。その場合は、なるべく最低限の量に留めるようにしましょう。

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